シンハラ語を話すシンハラ人の中に日本とスリランカ北部のジャフナを混同する人がいると言ったら日本人は驚くだろうか。
シンハラ語のベストセラー小説『කන්දක් සේමා kandak sema』(山の如し)の中に次の一節がある。
අම්මට නම් වෙලාවකට ජපානෙයි, යාපනෙයි පැටලුණා. (p.74)
母はときどき日本(ジャパーネ)とジャフナ(ヤーパネ)がごっちゃになる。
日本はシンハラ語では「ジャパーネ」(japaane)、ジャフナはシンハラ語では「ヤーパネ」(yaapane)と発音する。「ジャ」と「ヤ」は発音も似ており、しかもこの違いがあるだけで他は同じである。また、南部のシンハラ人にとっては北部のタミル人地域のジャフナは縁遠い国である。したがって、日本がどこにあるか知らない人にとっては、ヤーパネもジャパーネも大差はなく、混同しやすくなるのである。