このドラマは北中部アヌラーダプラに近いムドゥナーガラමුදුනාගලという村を舞台に、自分自身の欲望を実現するために人間がとる行動の様々な類型を描いている。都会のコロンボから田舎のムドゥナーガラの役所に赴任した役人ニルマールනිර්මාල්とそこの伝統医学者ディンギリඩිංගිරිの一人娘のマリーමලීとの結婚が中心の筋となり、それを邪魔したり支援したりする人間模様が錯綜する。
特にディンギリと対立する祈祷師ウックワඋක්කුවා(昔ディンギリに結婚を申し込んだが断れた)の祈祷、呪術対決はこのドラマのハイライトシーンとなっている。その他にも大臣のハンダパーンゴダහඳපාන් ගොඩと医薬品製造業社長のラージャラトナරාජරත්න(元々大臣の支持者)の対立、ディンギリの伝統医学の秘伝を盗み外国に売って一儲けを企んだラージャラトナの一人息子ダヌシャカදනුෂකの行動、大臣の隠し子アミラඅමිලとの結婚を画策するラージャラトナ親子の行動、ニルマールの許嫁マドゥランギーමධුරංගීの父親サーリヤසාලියと大臣の対立、ウックワを助ける悪魔や死霊とディンギリの対決などの伏線が物語を駆動していく。
こうした人間関係の背後には、今日的な諸問題、すなわち、都会/田舎、シンハラ/タミル、西洋医学/伝統医学、グローバリズム/ナショナリズム、生者/死者、健康/病気、繁栄/没落、愛/憎しみ、正義/腐敗、家族愛/正義といった要素が横たわっている。
| ニルマールとディンギリ(http://www.derana.lk/より) |
但し、話の99%は主人公たちの働く姿がないので、一体この人たちの職業は何だろうと思うこと請け合いだが。
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