スリランカの人々の心に大きな傷跡を残したのは、人民解放戦線(JVP)の騒乱、タミル・イーラム解放の虎との内戦、インドネシア沖大地震による津波である。
この1970年代の人民解放戦線の騒乱を描いた小説にスミトラー・ラーフバッダ(සුමිත්රා රාහුබද්ධ Sumithra Rahubaddha)の『灯明』(ඉටි පහන් Iti Pahan)がある。 この小説は、1995年にテレビドラマ化され、放映されている(ネット上では視聴できないようだ)。
主人公のソーマワティー(සෝමවතී、写真左、ニルミニ・テンナコーン(නිල්මිණි තෙන්නකෝන් Nilmini Thennakoon)が演じる。右はワサンティ・チャトゥラーニーවසන්ති චතුරානී演じる母)は大学生になると、人民解放戦線のメンバーとなり、活動する。JVPは、同志を募り、勢力を拡大する方法の一つとして、一種の教育プログラムを作る。やさしい段階から始め、徐々にレベルを上げ教育していくのである。レベルの高い者が人を集め、グループを作り、次第に増やしていくのである。
その活動を通じて徐々にソーマワティーは、スリランカの貧富の是正を根本的に解決するのには、革命が必要だと考えるようになるのである。このことを示唆するのが以下のソーマワティーの言葉である。
"පන්ති පහට ගියාට පස්සෙ තමයි මම තේරුම් ගත්තෙ මේ රටේ විප්ලවයක් සිද්ද වෙන්නම ඕනෙ වග මේ රටේ නිර්ධනයින්ට තියෙන එකම විමුක්තිය විප්ලවය" (Iti Pahan, p.143)
「レベル5に上がってやっとわかったの、この国には革命が絶対必要だと、この国の富のない者たちが持つただ一つの解放が革命だと」
ソーマワティーは一時警察に捕まるが、釈放され、その後結婚、子を産み母となるが、悲劇的な最後を遂げてしまう。
あの時代の胸をかきむしる記憶は今もシンハラ人の中にあるのである。

0 件のコメント:
コメントを投稿