尼寺に食事の布施をしに行くために一行が広大な貯水池の渡し場に着く。ちょうどそこに筏(乗客は乗った後も立ったままでいるタイプ)が着く。筏には一人の青年。青年が降り、一人の婦人が筏に乗り込もうとしたとき、バランスを崩し、池に落ちそうになるが、青年が手を差し出し支えてくれ無事筏に乗る。一行が皆乗船し、筏が進む。
助けてもらった婦人が、村では見かけない青年について聞く。次のやり取りにはこの映画の重要なプロットとなる人民解放戦線(ජනතා විමුක්ති පෙරමුණ = Janatha Vimukthi Peramuna、略してJVP)の話が出てくる。
"කවුද කරුණාවතී, ඒ ලමයා?"
"ගමේ ලමයෙක් නෙමෙයි, මං හිතේ."
"නානා ප්රකාර
උදේ
මේ දවස්වල ගැවසෙනවා."
"පොලීසියෙන්
වෙස් බලාගෙන ඉන්නවා ලු, චේ ගුරාලා අල්ලල්ලන්ට."
"උන් මරා දැම්මා නේද, ආණ්ඩුවෙන්, හැත්ත එකේ දී?"
"ඔය මොන බොරු කතා ද? එහෙනම් මේ අවුරුද්ද දහ පහලොහ දී මැරිලා උන් උපන් යැ?"
"ඔය සේනාසනෙ එහා
පැත්තෙ, කැලාව උන් ඉන්නවා කියන්නෙ
කට්ටියක්ම."
"මං මේ තාම කලප්නා කරන්නෙ,
අර ලමයා ගැන.
ඒ ලමයා මට අත නොපෑවා නම්, මං වතුරෙ."
「カルナーワティー、さっきの子は誰だい」
「村の子ではないと思う」
「近頃、朝はいろいろと捜索しているよ」
「警察は、人の顔をよく見ているって、人民解放戦線分子を捕まえるために」
「みんな殺されてしまったんだよな、政府に。1971年に」
「そんなの嘘っぱちじゃないか。じゃ、この10年、15年で死んだ奴らが生き返るか」
「尼寺の向こう側のジャングルに奴らがいるっていう人もいるけど」
「さっきから考えているんだけど、さっきの子のこと。もしも手を差し伸べてくれていなかったら、水に落ちていたって」
人民解放戦線とは、ローハナ・ウィジェーウィーラ(රෝහණ විජේවීර)が共産主義の団体から分かれて結成した共産主義団体である。ウィジェーウィーラは時のバンダーラナーヤカ(බණ්ඩාරනායක)政権に対して武力闘争を行い、1971年に逮捕されたために、人民解放戦線メンバーはウィジェーウィーラを奪還するために反乱(කෑරලි)を起こした。その鎮圧の際にメンバーだけでなく多くの関係のない無実の人々が殺された。ウィジェーウィーラは1978年に釈放されたが、再び1987年から89年まで反乱を起こし、1989年に逮捕され殺された(『暮らしがわかるアジア読本 スリランカ』河出書房新社)。
ここでの会話は1987年から89年の間の反乱を背景としている。ウィジェーウィーラは、1959年にキューバ革命を成功させたチェ・ゲバラ(Che Guevara)を真似して帽子をかぶり、髭をたくわえた風貌をしていたために、会話にある通り、人民解放戦線のメンバーはチェ・ゲバラの名前をとって、"චේ ගුරා"と呼ばれていた。
映画ではこの後、婦人を助けた青年は婦人の息子を、人民解放戦線の裏切り者として殺害するが、その際、深い傷を負う。逃げのびたところが偶然尼寺と接するジャングルの中。そこで主人公の尼僧ウッパラワンナーと出会う。ウッパラワンナーがなぜ俗世間を捨て、出家をしたのかが明らかになっていく。
「村の子ではないと思う」
「近頃、朝はいろいろと捜索しているよ」
「警察は、人の顔をよく見ているって、人民解放戦線分子を捕まえるために」
「みんな殺されてしまったんだよな、政府に。1971年に」
「そんなの嘘っぱちじゃないか。じゃ、この10年、15年で死んだ奴らが生き返るか」
「尼寺の向こう側のジャングルに奴らがいるっていう人もいるけど」
「さっきから考えているんだけど、さっきの子のこと。もしも手を差し伸べてくれていなかったら、水に落ちていたって」
人民解放戦線とは、ローハナ・ウィジェーウィーラ(රෝහණ විජේවීර)が共産主義の団体から分かれて結成した共産主義団体である。ウィジェーウィーラは時のバンダーラナーヤカ(බණ්ඩාරනායක)政権に対して武力闘争を行い、1971年に逮捕されたために、人民解放戦線メンバーはウィジェーウィーラを奪還するために反乱(කෑරලි)を起こした。その鎮圧の際にメンバーだけでなく多くの関係のない無実の人々が殺された。ウィジェーウィーラは1978年に釈放されたが、再び1987年から89年まで反乱を起こし、1989年に逮捕され殺された(『暮らしがわかるアジア読本 スリランカ』河出書房新社)。
ここでの会話は1987年から89年の間の反乱を背景としている。ウィジェーウィーラは、1959年にキューバ革命を成功させたチェ・ゲバラ(Che Guevara)を真似して帽子をかぶり、髭をたくわえた風貌をしていたために、会話にある通り、人民解放戦線のメンバーはチェ・ゲバラの名前をとって、"චේ ගුරා"と呼ばれていた。
映画ではこの後、婦人を助けた青年は婦人の息子を、人民解放戦線の裏切り者として殺害するが、その際、深い傷を負う。逃げのびたところが偶然尼寺と接するジャングルの中。そこで主人公の尼僧ウッパラワンナーと出会う。ウッパラワンナーがなぜ俗世間を捨て、出家をしたのかが明らかになっていく。


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