『マリー』(第2話)に大臣のハンダパーンゴダと医薬品製造業社長のラージャラトナのやり取りに以下のがある。
හඳපාන් ගොඩ:ලෝකෙ ග්රහයෝ කී දෙනෙක් ඉන්නවාද?
රාජරත්න:ඇමතිතුමා, නමයයි නෙ.
හඳපාන් ගොඩ:නමයයි? අන්න ඒ නමයයි. ඒ නමය නෑදෑයෝ සෙට් වෙලා තමයි තමුසෙට නීච වෙලා තියෙන්නෙ.
「世界には惑星がいくつありますか」
「大臣、9つですね」
「9つ。 そう、その通りです。この9つの親戚が一緒にみんな、あなたの場合、落ちているんですよ」
ここでは惑星全部がよくないと言って、相手を皮肉っている。
現代の天文学とは異なるが、占星術でいうග්රහයෝ(惑星)というのは9つで、太陽(රවි), 月(චන්ද්ර),火星( කුජ=අඟහරු)), 水星(බුධ), 木星(ගුරු), 金星(ශුක්ර=සිකුරු), 土星(ශනි=සෙනසුරු), ラーフ(රාහු)、 ケートゥ(කේතු)である。
ラーフとケートゥは実は天体ではない。悪魔であるラーフが不老不死の命の水(nectar)を飲もうと変装し忍び込んだところ、ヴィシュヌ神に見つかり、頭部と尻尾に切られてしまった。その頭部をラーフ、尻尾をケートゥと呼ぶ。ラーフはその体により太陽と月の光を遮り、日食と月食を引き起こすと考えられている(ラーフとケートゥについてはhttp://jyotisharavi.blogspot.jp/2010/11/solar-moon-eclipses-happen-because-of.html参照)。
文法について言うと、惑星の数を聞くのに、දෙනෙක්(~人)が用いられている。これは通常、人に関して用いられる類別詞で、日本語の類別詞「~人」に相当する。命あるものの存在に"ඉන්නවා"(いる)がないものに"තියෙනව"(ある)が使用される。人に用いられる類別詞と動詞が惑星にも使えるのは、興味深い。
同じく第2話。
හඳපාන් ගොඩ: කේන්දරේ ගෙනාවාද?
රාජරත්න: නෑ, ඇමතිතුමා.
හඳපාන් ගොඩ: මොකද කේන්දරේ ගෙනාව නම් තමුසෙගේ
මේ මනුස්සයාට කියලා බලවන්න පුලුවන්. ග්රහයෝ නීච වෙන කාලෙට තමයි නරක කාලෙ උදා වෙන්නෙ.
「天宮図を持ってきましたか」
「いえ、大臣」
「いや、持ってきていれば、あなたの天宮図をこの人に占ってもらえたのに。惑星が悪い状態のときというのは、悪い時期が訪れているということなんですよ」
大臣はラージャラトナの天宮図がどうなっているかは知らないが、星の話を持ち出して相手を口で攻撃し皮肉っている。
「いえ、大臣」
「いや、持ってきていれば、あなたの天宮図をこの人に占ってもらえたのに。惑星が悪い状態のときというのは、悪い時期が訪れているということなんですよ」
大臣はラージャラトナの天宮図がどうなっているかは知らないが、星の話を持ち出して相手を口で攻撃し皮肉っている。
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