2012/06/26

『月を空は愛している』(සඳට අහස ආදරෙයි)--冤罪?、キリスト教、紅茶プランテーション、タミル人労働者

スリランカ国営放送局で2012年4月より放映されている『月を空は愛している』(සඳට අහස ආදරෙයි)は、高地の紅茶プランテーションを舞台とするドラマである。第1話の冒頭、トゥシャーリ(තුෂාරි)が自分の愛したプラビーン(ප්‍රවීන්)を殺した罪で起訴され、終身刑を宣告される。その後、刑務所に収監された後、精神のバランスを崩し、口を閉ざし、精神病院に入る。トゥシャーリとプラビーンの関係を知った精神科の医者は判決に疑いを持ち、催眠療法によりトゥシャーリの閉ざされた心の中に入り、隠された秘密を解き明かしていく筋となっている(第4話)。果たして本当にトゥシャーリはプラビーンを殺したのだろうか、何か大きな秘密が隠されているのだろうか。

宗教的なバックボーンは主人公たちがキリスト教信者であるため、キリスト教である。紅茶プランテーションで働く労働者はタミル人で、安い賃金で働かされている。タミル人労働者は賃上げのストライキを行う。キリスト教の教えをもとに労働者側に立って仕事をするプラビーンは、とうとう職を失ってしまう。

更には自分の傾いた家の経済を立て直すため、裕福な家庭の娘と結婚を決断し、トゥシャーリとの関係を清算してしまう。裕福な相手家族の持参金(スリランカでは結婚の際、女性側が男性側に財産を渡すことになっている)により家の経済を立て直すことができるし、相手の娘にとっては自分のビジネスのパートナーになってもらうことでビジネスを更に発展させることができると考えているのである。

我々が飲むセイロン・ティーのローカルとグローバルな背景の一端を教えてくれるドラマかもしれない。

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